top of page
m05026.jpg
Letter from Guests

お客様からのお手紙

私たち「アイウェア メビウス」のオープンは1992年。

おかげさまで、今年で30周年を迎えました。

走り続けていたら、いつの間にか長い時間が過ぎていたというのが実感。

山あり谷あり、あっという間の30年間でした。

メビウスが最初にお店を開いたのは宮益坂沿い。

その後数年で、いまの公園通りの一角へと移ってきました。

お店から見える渋谷の街は、この30年の間、たえず変わり続けています。

窓のむこうにトレンドが見える場所にいるお店をかまえていることは、

アイウェアショップとして「何を変えるべきか/変えずにいるべきか」を

自分たちに問い続けることを、助けてくれているようにも思います。

生まれてすぐメガネが必要となった息子

生後半年からメガネをかけることとなった息子。1歳半で「開店以来の最年少のお客様」とメビウスの皆さんにお迎えいただいて以来、成長に合わせて何本のメガネをお願いしたことでしょう。 未熟児で産まれた息子には、早い時期から視力の成長を促すためにメガネが必要でした。しかし主治医に紹介されて訪れたメガネ店に、ベビー用のメガネはたった1種類。それもあきらかに医療用眼鏡とわかるデザインで、肩を落としていたときに教えてもらったのがメビウスでした。美しいカラーのアセテート板を切り出して作られるメガネは、おしゃれでかわいく、息子の顔にぴったりフィット。つけ心地の良いものは気持ちがいい。カラフルで個性的なメガネは息子のアイコンとなりました。 メビウスとの出会いで、「メガネをかけなきゃならないなんてかわいそう」ではなく、メガネこそが私たちにとっての誇りになった、そう思っています。私たちの息子は、この春大学生になりました。オーダーメガネの第1号は、今も大切にケースに収めています。 ◇メビウスからの返信 子どもたちの多くは、実は軽い遠視気味。成長につれて体がピント補正を学習し、だんだんそれが補正されていきます。とはいえ生後すぐから近視で、視力矯正が必要というお子さまも、実は少なくないのです。Iさんの愛息子、Aくんもそんな一人。小学校入学前の検診などで近視がわかったという子どもも多いなか、1歳半でのご来店はとても早いほうですね。視力がわるいこと、メガネをかけていることでコンプレックスを感じてほしくないのだというご両親の強い意思を、初めてのときから感じました。 XXSサイズから揃うセミオーダーのメガネをとても喜んでいただいたのをよく覚えています。子どもですから、成長してサイズが変わっていくし、メガネをよく壊す。成長に合わせてテンプルだけをつくり直したり、何度でも修理できることは、私たちならではかもしれません。だんだんと大きくなっていくI君に会うのは私たちにとっても楽しいことです。本人の好みが出てきた頃に、icベルリンのメガネを自分で選んでくれたのは印象的です。メガネを⾃由に選ぶという行為そのものに成長が垣間見えて、私たちまでうれしくなってしまいました。

人生の〝相棒〟~この一本のしあわせ~

眼鏡との付き合いも長くなった、もう40年になる。眼鏡なんてスポーツにも旅行にも不便、必要なければ楽だろう、必要ないならそれに越したことはないのかもしれない。だけど、どうせ使うのなら個性の一部として楽しみたいと思い、あちらこちら歩き何本も換えてみたが、どうもしっくりこない。 そんな〝眼鏡遍歴〞の末にようやく出合った一本、それを掛け続けてもう20年だ。 40度を超す炎天下で、零下20度の極寒の中で、サバンナを疾走するヌーの群れを、天空に揺れるオーロラを、ときには飛び交う砲弾の中を逃げ惑う人々を…。この眼鏡を通して、様々な人や情景を見てきた。 いつの間にか、単なる道具ではなく、人生の〝相棒〞になってしまった感がある。 フレームの一部は劣化して細くなり、塗装もあちらこちら剥げてきた。「もう限界ですよ」と苦笑されるが、あれこれ注文を付けて手を入れてもらい使い続けている。売り上げにもならず手間暇だけのかかる厄介な客なんだろうなぁと思いつつ、一本の眼鏡をずっと面倒みてくれるホスピタリティは有り難い。 安価で機能もデザインもそこそこ、そんなモノがいっぱいある時代、気楽に毎年買い換えて楽しむこともできる。でも、気に入ったひとつをボロボロ、クタクタになるまで手放したくないものもある。そんな一本に出合えたのは嬉しいし、しあわせなんだろう。 ◇メビウスからの返信 思いがけないお電話をいただいたのは東南アジアの国からでした。意識不明に陥る大きな事故に遭われて、やっと意識が戻ったけれど、事故でメガネが壊れて困っていらっしゃるとのこと。なんとか自分に合うメガネを送ってほしいというお話でした。 通常のオーダーとは全く違う状況ですが、こういうときにお客さまの力になるのは当然のことだと思いました。それでお顔の写真を送っていただけるようお願いしたんです。そこにこれぞというメガネの写真をPCソフトで合成してイメージをつくり、コミュニケーションさせていただいて。ソフトでの合成は、普段オーダーメガネで行う手法。それが生きました。そうして決めたメガネに、カルテから同じ度数のレンズを入れてお送りしたのがもう20年以上前。 そのメガネを気に入っていただいて、いまも使い続けていらしっしゃる。メガネ店にとっては〝儲からない客〟? とんでもないです。そんな状況から頼っていただいたこと自体が、私たちにとってはかけがえのない価値です。お仕事の話や、ゆかりの深い東南アジアの国々の話など、いろんなお話を聞かせていただきながら、ずっといいお付き合いをさせていただいています。

m2105.jpg
m2200.jpg

見られているのは、私かテオか

街中で、視線を感じることがあります。自意識過剰だなと我ながら面白くなりますが、見られているのは私ではなく、かけているメガネです。「そのメガネ、どこのですか?」「それ、テオですよね?」。そんな風に話しかけられることもあります。そういう方々は大抵メガネ愛好家ですから、メガネだけでなく、ついメビウスの宣伝もしてしまいます。山田社長に初めてお目にかかったのは20年以上前の某展示会。メガネと同じくらい印象的だった山田さんに惹かれて、その後ショップにもお邪魔するようになりました。 コンタクトレンズが使えないほどに近視の強い私にとって、メガネは必需品。それをメビウスにお任せすることで、機能的かつ、十分に堪能できるメガネに出会ってきました。こだわりの品揃えを眺め、試し、的確なアドバイスを受け、メガネにまつわるお話を伺う。それはいつだって愉しいひとときです。夫や娘、そしてご紹介した友人知人もすっかりメビウスファン、各々に似合うメガネを愛用しています。現在、私はテオ6本をフル活用。私のメガネ人生はメビウスで完成しました。 ありがとうメビウスさん! ◇メビウスからの返信 テオが似合う方というと、服装や髪型が個性的な方を思い浮かべるかもしれないけれど、そういうことではないのです。Sさんは物腰の静かな、謙虚な方。それでいて、彼女がテオのメガネ以外をしている姿は想像がつきません。つまりは、ご自分の好みをかなりはっきりと持っていらっしゃる方なのだと思います。芯が強くて、人に流されない方。幾度もお会いするうちにその印象は強くなります。自分に似合うもの、そして、長い時間を一緒に過ごすメガネの役割をかなりきちんと理解されているのだなあと感嘆しています。 長いお付き合いの間には、お嬢さんやご主人と一緒にご来店されたり、お友だちを紹介してくださったり……。私たちは、メガネをお選びする際に、とことんその方のお話をお聞きします。それは、メガネは生活のなかで、その人への関わり方が普通の洋服よりもずっと深いから、本当にいろんなことをお聞きしないと、最適な1本を選ぶことができないと思うからです。そういう私たちのスタイルをご評価いただけているから、長くお付き合いが続いているのだとしたら、とてもありがたいことです。

自分を誇れる眼鏡を求めて

私、実はレーシックを受けたのですが、30本以上の伊達眼鏡を毎日服と気分似合わせて掛けています。顔を着替える感覚です。中には自分でデザインした物もあります。  眼鏡の面白さに気づいた切掛けは、私が美大生だった頃に福井の地場産業とモノづくりの現場に触れる美大合同ツアーに参加したことでした。身につける物のデザインが好きな私は、究極のウェアラブルたる眼鏡のデザインにのめりこむことになりました。 そんな私の卒業制作は当然眼鏡になるのですが、このとき眼鏡の特注できるお店を探していたところメビウスにたどり着きました。普通ではなかなか見ることの無い素敵な眼鏡に囲まれる静かな空間。いつしか私はそこに通うようなり、様々な生地や色見本を見ながら自身のデザインした眼鏡造りに没頭するのでした。  どんな眼鏡が似合うか、というよくある問いを突き詰めると、それはる「本人がその眼鏡をした顔を誇れる自信の持ち方」だと思うのです。それならば、眼鏡は「掛けなくてはけない」のでは無く「自ら進んで掛ける」というようなもっとポジティブな物でありたい。医療器具としての在り方は真っ当な事とは思いますが、同等の機能性があるならば、眼鏡を掛ける人の姿をより引き立てるスタイリングである事も眼鏡の重要な機能だと思うのでず。「機能美」の名の下に、審美性に欠くモノは、大きな妥協ではないかと。私がレーシックを受けてなお伊達眼鏡を掛けるのは、この妥協を振り切って「視力に問題がなくでも掛けたくなる眼鏡」を作りたいが故の事なのです。 私はまだ個人的に欲しい物や、規模の小さい個人オーダーをデザインする程度の事しか出来ませんが、いつかは自身のブランドを持ちたいとの思いでメビウスや鯖江の工場に通っています。そして今日もまた、いろんな人の顔写真に眼鏡のデッサンを描くのでした。

m3167.jpg
m3039.jpg

私の徹底的なこだわりを徹底的に聞いてくれる場所

オーダーメイドができるお店があることを知り 当時15年前お店に伺いました。 (当時はアメリカに住んでおり、成田へ行く途中に伺ったのをおぼえております。) ネスプレッソコーヒーをいただきながら、ゆっくりとオーダーメガネの相談またレンズの選定など、細かい部分までアドバイスしていただけたのが大変印象的です。 当時は夏目さんでしたね。今は町のやさしいおにいさん鈴木さんですね。 実は私も物造りに携わっている人間として図面をおこし、製品を作り、お客様の笑顔のためにチューニング/アフターサービスを徹底的にやっていくことが、自分のこだわりであります。 その意味でメビウスのメガネ(オーダーメイド)は何本か作っていただきましたが、製品の精度、仕上がり具合は大変気に入っております。 また、フィッティングチューニング、アフターケアも徹底的に何回でもやっていただける点、申し分ないまた感謝している所でもあります。 あともう一つ、メビウスで選んでいただいた遠近両用のレンズはベストで全く疲れないこれも感謝している点であります。 メガネは寝ている時以外は常にいっしょにいる(身につけている)、いちばん身近な相棒、ビジネスパートナーだからこだわりをもってかけたいですよね。 こんな気持ち、こだわりを満足させてくれるメビウスのメガネに感謝です。

眼鏡はもはや自分の延長

30周年おめでとうございます! お祝いの御本に呼んでいただけて、とても嬉しいです。ありがとうございます。 EYEWEAR MEBIUSを知ったきっかけは、theoでした。 2005年、愛知万博のベルギー館で、そこに展示されていた個性的なメガネに目を奪われました。それがtheoというメーカーのものであることを知り、東京で扱っているお店を探してMEBIUSに辿り着きました。 初めてMEBIUSで選んだメガネはtheoのFREESTYLE、マットブラックでした。個人的には大人しめのデザインを選んだつもりでしたが、行く先々でメガネを褒めてもらえて嬉しかったのを覚えています。 theoの次に手に入れたのはカラフルでデザインの多彩なBOZでした。その後ハマったのはシンプルだけれどインパクトのあるMYKITA、ここ数年はメイドイン鯖江のCLAYTON FRANKLIN、Kame ManNen、Old&Newを良くかけています。 こうやって手に入れた順に並べてみると20代はカラフルで派手な感じ、20代後半~30代前半はシートメタル、30代後半は落ち着いて調和が取りやすいセル系フレームと趣味が移ってきたようで面白いです。人生もこの様に落ち着いてきたら良いのですが。 メガネは自分と世界をつなぐアイテムです。近眼なので、そもそもメガネが無いと何もできないのですが、メガネをかけていないと私だと認識してもらえないこともあるので、もはや自分の延長なのだと思います。

m253.jpg
m2214.jpg

眼鏡がつなぐ、ご夫婦の思い出

その方は、いつもすてきな奥様をつれていらっしゃいました。 カメラマンをなさっているというのは、あとで知ったことです。たぶん、奥様は被写体としてとてもすてきじゃないかなあ、と思っていました。 お年は70歳をすぎていらっしゃいましたが、個性豊かなヨーロッパの眼鏡にもチャレンジしていただき、それがまた、お似合いでした。 ご自宅は渋谷から少し距離があったので、ちょっと遠いんだよね、とおっしゃっては、年に数回眼鏡をお買い上げいただきましたので、最後には、かなりコレクションは多くなっていたと思います。 ある時から姿をお見掛けすることはなくなり、遠い、とおっしゃっていたなあ、と少し寂しく感じていました。 2年ほどして、なんと奥様だけがひとりで店にいらっしゃいました。 椅子におかけになると、カバンから、7,8本の眼鏡を取り出して、 主人が亡くなったので、今度はこれに私のレンズをいれてもらおうかしら、とおっしゃいました。 もちろんお亡くなりになったことは存じ上げなかったので、とても驚き、また悲しくもなったものです。 私の中では思い出深いお客様のひとりです。

私が渋谷に行く理由

メビウス もう何十年前になるか。 NHKホールの近くに世界でも指折りの弦楽器製作者がいて、僕は楽器のメンテナンスのためによくいっていた。坂を上がりながら、ふと目についた眼鏡の看板。エレヴェーターに乗り、何故か入って行った。広くは無いその空間に不思議にうきうきした。眼鏡屋などどこに行っても同じ景色なのに、そこにあるもの達はどの眼鏡も、ちょっと見てよ。と言うかのように話しかけてくる。へー、こんな眼鏡があるのか。テンションあがる。 それから何十年お世話になることとなった。 Y concept . Ic Berlin! Zero rh+ 。  どれも流行りに左右されない名品で、裏打ちされた知識とセンスが瀟酒なお店にただよっている。居心地が良いので、用もないのに行きたくなる。こういう、本物のお店ってない。 時間はたって、楽器製作者もとうに亡くなり、今では渋谷に行くのはメビウスがあるからなのだ。

DSC_0076_edited.jpg
m137.jpg

眼鏡の転機が人生の転機

きっかけ、、もう20年前なのでうっすらとした記憶ですが(笑) 本当に ふらっと 入店し、 生粋の「衝動買い」が1本目でした。 やはり、1本目をかけて 渋谷の街がいままでよりキラキラして見えたことが落ち版の思い出です。 *無理をしてメガネをずっとかけずに生活していたので  ぜんぜん違う世界が広がりました 服の好みが変わるように 私自身が変わるように メガネも そのとき良いと思ったもの をかけるのが自然だと考えています。 すごく気に入ったものが結果的に一生ものになる可能性もあるでしょうが、 それって人としても変化が無いように思えてしまい、つまらないようにも思います。 とても不思議なことに 人として変化があったな と感じた時 自然と新しいメガネをつくっていたような、、笑 今後ともよろしくお願いいたします。

かかりつけ医のような存在の眼鏡屋さん

もう早いものでアイウェアメビウスさんとのお付き合いは今年で8年目になります。ペルソールのリーディンググラスを作らせていただいたのが最初のお付き合いでした。それからそれ以前に持っていたペルソールのサングラスの調整もして頂き。鼻がけのとてもコンパクトなペルソールのリーディンググラスも作らせていただきました。調整でお伺いするうちにアイシーベルリン にも一目惚れしてメビウスさんのアニバーサリーモデルでリーディンググラスを作らせていただき、先月にはネオコントラストレンズで、ドライビング用のかなりかけ心地の良い夜間適合のドライビング用のメガネをご相談して作らせていただきました。アフタサービスもとても良く、不注意でフレームが折れてしまった際にも、部品を、必死で探して取り寄せてくれました。修理からネジ一本に至るまで丁寧に対応してくれます。ペルソールやアイシーベルリン を楽しく使わせていただけるのは、アイウェアメビウスさんのお陰です。  先日、娘におすすめの歯医者さんを紹介してもらいました、ものすごくいい歯医者で、何度か治療を受けてその価値がわかりました。娘から腕の良い歯医者は1000万円くらいの価値があるんだよと言われましたが、こんなに違うのかと実感しました。 アイウェアMEBIUSさんも同じです。 渋谷に出向くとつい寄ってしまう、自分にとってとても楽しい場所です。以前、他の高級なメガネフレーム扱ってるのに、技術がガタガタのお店で、何度か苦い経験持ってさせていただきました。 リーディンググラスも言うことないほど快適ですが、最近作ったドライブ用のネオコントラストレンズにご提案いただいた低反射レンズのLHPとブルーライトカットのUV420も組み込んで作りました。昼も夜もものすごく良く、眩しさを抑えつつも、暗いところはコントラストも強調されて、むしろ良く見える魔法のレンズです。最近は高輝度のLEDライトの光がとても多く見にくいと感じていましたが、これをかけるとドライブが、ますます楽しくなるだけじゃなく、この先も目の老化を抑えてくれます。 ある程度の範囲で、度が合っていれば、ある程度は、見えますが、自分にとってはそれだけでは、満足できません。よく見えて、きちんとメンテされてるメガネは紛れもなく体の一部で、私にとって大切な宝物です。

愛用の眼鏡と出会えた場所

アイウェアメビウス、30周年おめでとうございます。素晴らしいことと存じます。 小職は社会貢献公開講義をやってまして、そこに勉学熱心な夏目社長が参加されたのが切掛けです。 メビウスの場所はちょっと分かりにくく苦労しました(笑)。その後、渋谷の店舗や事務所に足繫く伺っておせっかいをしています。 岩本さん、鈴木さんを始めとした、スタッフの方々の接客も感じがよく、いって良かったと思える店です。 これまでにメビウスでご紹介いただいたブランドには、もちろんハイクラスなブランドが多数あります。その中でも、オシャレなオリジナルブランド「Y-CONCEPT」が良いですね。小職は「Y-CONCEPT」しか着けません。 現在、愛用しているT-405も素敵なブルーで、ビジネスにもカジュアルにも使えます。 小職にとってメガネは、もちろん生活・仕事に必要不可欠なものですが、おシャレの一部としても考えております。T-405は“知的”にも見えるので、嬉しいです。 今後も、素敵なY-CONCEPTの新作、そして何よりもアイウエアメビウスの更なる発展を願っております。

m251.jpg
m04006.jpg

わたしはMEBIUSにしてみたらいちばん困る客かもしれない

私は和食の料理人で、陶芸家。常に日本の郷土料理や器について学んでいます。あらゆる事象を取り入れてひとつの器に収斂させていく日本らしい美学に惹かれます。私を惹きつける器に共通するのは、デザインだけで成り立っているわけではないという点。器が盛りつけられた料理の美を高め、料理もまた器の美を高める。そういう風にして成り立つ器は真に美しいと感じます。 さて、テレビの撮影で長崎に行ったとき、「眼鏡橋(Eyeglass bridge !)」を見ました。中央に垂直方向の支柱があり、その両脇に半円がついた、メガネを水平に半分に切ったような形の橋。水面にその姿が映り込むとメガネの形に見えるのですが、そう気づくには、それを“見つける目”も必要です。私が自分のメガネに求めるのも、まさにそれ。ただ鼻の上にのっかっているものではなくて、私自身の一部であり、延長であってほしいとのです。他人から見たとき、メガネと私が一体化していてほしい。それだけが主張するメガネではなく、美しい調和を生み出すメガネであってほしい、と。 さらにメガネには、ネクタイを締めたり、シェフである僕がエプロンを、また女性が帯を締めるのと同じような役割があるとも感じます。その時々にしてみたいファッションや、自分の気分を演出する最後の仕上げ、ということです。新しいメガネを選ぶのはいつもとても難しくて、自分はメガネの役割について考えすぎなのではないかと感じることがあります。選ぶときはまずメガネをかけて、いろんな角度から写真を撮る。そして翌日まで待ち、頭を空っぽにしてから何度かその写真を見るのです。 メビウスというメガネ店の客としては、おそらく最悪に面倒くさい部類ではないでしょうか。並んでいるフレームを、ただ見るだけでは決心がつかないのですから! 私にとっては、店頭に並ぶメガネは、それだけではまだ未完成品。真の美が生まれてくるのは、メガネを実際にかけるようになってからだと思うのです。 ◇メビウスからの返信 Dさんとメビウスは、もう10年近いお付き合い。とある企業のお抱えの料理人をされているDさんは、日本と日本文化を深く愛していらっしゃる。お休みの期間中は、東京に一軒家を借りて日本で過ごされるんです。 Dさんといえば、MYKITA(マイキータ)の丸いフレームのメガネという印象。メビウスで最初に買われたその1本を、かけ心地の調整をしたり、レンズ交換したりしながら、とても大切に使っていただいています。MYKITAのメガネはネジを使っていないから、持ちもとてもいいんです。途中でほかのフレームも何本かご購入いただいているのだけれど、昨年、1本めのメガネのレンズを、約10年越しにレンズ交換されていただいている。ここまで愛用していただいて、自分のアイコンとしていただけるとメガネ屋冥利につきます。 Dさんが東京のおうちで開かれる料理会にも、幾度も出席させていただいたことがあります。カツオの藁焼きなど、目をみはるような凝った料理を出されるんですよ! こだわりの深い、そういう方の「お眼鏡に叶う」(文字通りに!)メガネをご提供できているならば、そんな誇らしいことはありません。

同じモデルをフルオーダーし続ける

私が長く愛用しているメガネは、メビウスのオリジナルフレームです。そのフレームにはパッド部分がないため、リムが眉にあたったりもしたのですが、形・色・大胆なカット……と、どれもがまるで私のためにあるように思えたものです。平台に並ぶそのフレームを目にした時すでに、「これこそ私の残りの人生を共にするフレームなのだ」と確信していたんだな。大げさではなく、20年を経ても同じモデルをかけ続けている今、そう思います。リムにパッドを増設してかけ心地を調整していただいた最初のメガネは、私の著作DVD(*Hさんは、治療院院長として多方面に活躍)でもお披露目しました。さらにその後に同じセルで2代目、もう少し色を濃くした3代目と、まったく同じ型で制作してきました。特に3代目は、TV番組への出演時にかけていましたから、患者さまからもお褒めいただいたことを覚えています。多くの講演などで使う自己紹介ポートレイトも、すべてこのフレームになってからです。私はこのメガネのおかげで、老け込まずに20年過ごせたのではないかと思います。最近、還暦を迎えるにあたり、思い切って明るいカラーも選んでみました。 ◇メビウスからの返信 鍼灸マッサージ師として長くご活躍のHさん。最初にご来店いただいたのはもう15年以上前になります。その時にご用意のあった、プラスチック製で、上半分だけがフレームになっているメビウスオリジナルのフレームを気に入っていただきご購入。次のご来店以降は、そのモデルはなくなってしまっていたのですが、これまでに同じ形で合計4つ、フルオーダーでおつくりしてきました。つくり変えの度に、微調整を重ねながら現在の形に至ります。不思議なもので、メガネは同じものをずっとかけ続けたいという方と、いろんなタイプを日替わりというくらいのペースで変えたいという方とにはっきり分かれます。Hさんは完全に前者。メガネがご自分のイメージの一部になっておられる。ひとつのモデルをあそこまで気に入ってくださるのは、やはりメガネ屋冥利につきます。 いちばん最近つくられたメガネは、なんとご自身で鯖江まで行って入手してきたというアセテート生地を持ち込んでのオーダーでした。強度の確認などが難しいため、通常ならばお持ち込みはお断りしますが、長くお付き合いしてきたHさんの冒険心に打たれてお引き受けしたんです。グラデーションが美しいアセテート生地で、そのグラデーションをどんな割合で出すか、一緒にいくつかのパターンを検証しながらおつくりしました。まさに世界にひとつのメガネ。「私のメガネはメビウスのだけ!」とおっしゃってメガネととても素敵なお付き合いを築くHさんの姿には、私たちもいつも励まされます。

私が通い続ける理由

メビウスに通い始めてもう20年以上。同じ渋谷でも宮益坂にお店があった頃からのお付き合いになります。当時の勤め先が宮益坂のそばにあったのがきっかけでしたが、当時からメビウスにはデザインもカラーも、個性的な商品が揃っていました。表面と裏面の色を変えて組み合わせていただいたセルフレームのメガネは、よく記憶に残っていますね。以降も、私のその時々の気分に合わせて、提案をいただきながら、いろんなメガネをつくってきました。J.F.REY、ic!berlin、OAKLEY、BELLINGER、Y CONCEPT……。メンテナンスも含めて、大変お世話になってきています。私はうっかり者で、フレームを曲げたりレンズを傷つけてしまったりするのですが、メビウスさんの丁寧な対応には本当に助けられてきました。おかげでこの20年以上の間に購入したフレームは、まだまだ現役のものが多いのです。メガネを常にベストの状態に保ってくださるメビウスさん、とても頼りにしています。 ◇メビウスからの返信 いつもにこやかで、おだやかなUさん。そのカルテをめくってみたら、確かに20年分以上あるんです。見るうちにさまざまなことを思い出します。ちょうど20年前には、メビウスのオリジナルのセミオーダーのフレームを、黄色いテンプルでつくっていただいています。個性的なメガネをお選びいただいてきました。 特に印象深いのは東日本大震災のとき。あのとき、渋谷からはすっかり人が消えた。お店を開けていてもどなたもいらっしゃらなかったけれど、開けるしかないから開けていたんですよ。当時のメビウスは地方出身、独身のスタッフが多くて、家に帰ってしまうと寂しいから、一緒に夜ごはんを食べたりして。お店の経営は苦しく、「目覚めたら全部夢だったらいいのに」というような状況でもあったなか、Uさんは4月のうちにご来店いただいて、フレームを買っていただいている。そしてそのご来店から3日後にまたお越しいただいて、古いメガネのフレーム交換やメンテナンスを3本出していただいているんですよね。そんな急ぎではないはずのオーダーを、そのタイミングでしていただけたことは、本当にうれしかった。ご本人はおっしゃらなかったけれど、きっと応援してくださる気持ちだったんだと思います。そんな風に支えてくださる多くのお客様たちの優しさのおかげで、今もメビウスはある。そんな風に思うんです。

bottom of page